ヒルドイドの正しい使い方 ~ 傷跡を早く治すにはどうすればよいか?
この記事ではヒルドイドクリームの説明と傷跡を早く治すにはどのようにヒルドイドクリームを使えば良いかを解説します。
ヒルドイドクリームとは
ヒルドイドクリームとは傷跡を治療するための塗り薬で、主成分はムコ多糖多硫酸塩(MPS)です。一般にMPSとして知られるムコ多糖多硫酸塩は、さまざまな医療用途で重要な役割を果たす医薬品有効成分(API)のサブカテゴリーでり、これらの多硫酸塩は、体の結合組織に見られる複合炭水化物であるムコ多糖類に由来します。MPSは、関節液の重要な成分であるヒアルロン酸の生成を促進することによって関節の潤滑を促進し、変形性関節症などの症状に伴う痛みを軽減することがわかっています。ヒルドイドクリームを塗ると腫れや炎症を軽減し、血液循環を促進し、体が新しい組織を早く生成できるようにしてくれます。皮膚の層に水分を保持する成分でもあり、組織に潤いと弾力を与え、硬い傷跡を柔らかくし、さらに日焼けした肌の治療や、打撲、血腫、静脈瘤の緩和にも使用できます。
ヒルドイドクリームは傷跡にのみ使用するものです。ヒルドイドクリームを傷跡に塗るのは、傷が完全に閉じた後に限り、まだ生の傷や開いた傷、湿った傷に塗ってはいけません。また目の周りなどの敏感な部分には使用を避けるべきです。日本でヒルドイドクリームは医療機関で処方される薬であり、血行促進や保湿の目的で、特に次のような症状の治療に用いられています。
●血栓性静脈炎 (痔核を含む)
●血行障害に基づく疼痛や炎症性疾患 (注射後の痛みや皮膚が硬くなるなど)
●凍瘡 (しもやけ)
●肥厚性瘢痕やケロイドの治療と予防
●進行性指掌角皮症 (手湿疹)
●皮脂欠乏症 (皮脂の減少により角層の水分が減って皮膚が乾燥するもの)
●外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫れ、血腫(血の塊)、腱鞘炎、筋肉痛、関節炎
ヒルドイドクリームの使用方法
朝と晩の1日2回塗ります。使用期間は傷跡の状態や傷ができてからの時間にもよります。新しい傷跡に塗り始めると、早く治る可能性が高まります。効果が見られるのは、少なくとも2~4週間後ですが、古い傷跡の場合はそれ以上の時間がかかることもあります。
ヒルドイドクリーム使用の注意事項
ヒルドイドクリームと併用が禁忌とされている塗り薬はないため、複数種類の塗り薬を処方されることがあるかもしれません。同時に塗布する場合、薬の種類や治療方針によって塗る順番が異なる可能性があるため、処方医に確認することをおすすめします。ヒルドイドクリームは妊娠中の患者さまに対して投与する場合の安全性は確立していません。これはあくまで『使用してはいけない』という意味ではなく『妊婦さんに使っても安全だという証明がされていない』という意味です。実際の現場では処方されていることも多々ありますので、今後データが集まってくると考えられます。また、妊娠中の使用の安全性は確立されていませんが、授乳期間の使用に関しては安全性が確認されています。ヒルドイドクリームは刺激が少ないため、生まれたばかりの赤ちゃんの保湿剤として処方されることもあります。小児・授乳婦の患者さまへの使用には制限ございませんので安心してお使いください。
またヒルドイドクリームを顔に塗るのは避けるべきといった話もありますが、特に副作用が出なければ顔に塗ってはいけないということはありません。が、あくまでもヒルドイドクリームは傷跡を目立たなくしてくれる外用薬です。顔を白くするためや保湿のために使う美容液や化粧品ではありません。
「赤色の通常のヒルドイドクリーム」は身体用として使用している方が多いですが、「青色のヒルドイド フォルテ クリーム」をフェイス用で使用する方が多いです。それは、青色のヒルドイド フォルテ クリームのほうが、ヘパリン類似物質445mg/100gあたりが多いため、赤色のヒルドイドクリームより保湿力が高いのがその理由です。
ヒルドイドクリームの副作用
ヒルドイドクリームは刺激の少ない外用薬であり、基本的には副作用のリスクも低いです。しかし、医療用医薬品であるため、副作用のリスクはあります。まれに顔の赤みやかゆみ、発疹や皮膚炎、過敏症や紫斑などの副作用が出ることがあります。また、ヒルドイドクリームを使用することで以下のような副作用が出る場合があります。
●皮膚炎
●そう痒
●発疹
●紫斑
●発赤
●過敏症
●皮膚への刺激感
副作用と思われる症状が出た際はヒルドイドクリームの使用を中止し、医師へ相談しましょう。また、初めて使用する際は狭い範囲に使用し、皮膚に異常が出ないか確認することをおすすめします。
傷跡を早く治すにはどうすれば良いか?
ヒルドイドムリームは傷を治す薬ではありません。傷が新しいときは、傷を清潔に保ち、傷用の薬を塗ることが重要です。傷が水に触れないようにし、感染を防ぐために注意しましょう。そうすることで、傷は早く治り、盛り上がった傷跡にならずに済みます。傷がかさぶたになった場合は、むやみに剥がしたり、かいたりしないようにしましょう。むやみにかいたりすると再び傷ができ、手に付着した汚れやバイ菌によって傷口が感染症になる恐れもあります。
傷が完全に閉じたらすぐにヒルドイクリームを塗りましょう。早く塗れば塗るほど、早く治ります。肌を常に保湿することが大切です。SPF30以上の日焼け止めを塗り、傷跡が日光に当たらないように注意することも大事です。傷の治癒や組織の修復に役立つ食事を摂ることも重要です。たんぱく質やビタミンC、鉄分、亜鉛を豊富に含む食品を摂取しましょう。砂糖が多い食品やアルコール飲料は避けましょう。水をたくさん飲んで、肌の水分を増やしましょう。